1960年代当時、保線作業や構内入換等には木製車体・単台車の90形電動貨車が使われていた。しかし、この90形の積載能力は低く、寄せ集めの走行機器は亀電の環境には不向きで安全性にも難があり、さらには木製車体の老朽化が進んでいたため、置き換えが必要であった。
そこで全金属製車体で90形以上の積載能力を持った電動貨車を導入することになった。これが91形である。
車体長が90形より伸びたことで、積載能力は90形の約1.5倍となっている。
塗装は、登場当時は亀電紫一色であったが、2002年の900形登場に合わせて現在の塗装に変更された。
保線作業や構内入換の他に、かめでん丹波栗の定期輸送列車にも充当されるなど、一般的な事業用電動貨車の枠を超えた活躍を見せている。
91形の機器類は1形の物が流用されている。これらの機器は1形の廃車から約10年間、車庫内に保管されていたものである。
1910年代製の機器を搭載した電車が今でも現役で、本線上を走行可能であり、さらに定期運用に就いているいる事は特筆に値する。
また、1985年に行われたATS車上子搭載工事により、連結器のすぐ後ろに設置されていた空気だめの移設が必要となり、最終的にパンタ下の空間に移設すると言う何とも奇抜で大胆な改造が施された。
またこの時に保安ブレーキを増設してフェイルセーフ化を図っている。
制御装置 | 抵抗制御 |
主電動機 | GE-90 直流直巻電動機 40kW×4 |
駆動装置 | 吊り掛け駆動 |
台車 | 27E-1 車体支持方式:スイングハンガー式 枕ばね:板ばね式 台車支持方式:ペデスタル式 製造:ブリル |
制動方式 | 発電制動併用非常弁付直通空気ブレーキ |
構体 | 普通鋼 |
在籍両数 | 1 |
製造両数 | 1 |
登場年 | 1971年 |
製造 | 武庫川車両 |